差し迫る高齢社会と孤独死

コラム 神奈川県 葬儀サポート

2025/04/11

孤独死を考える—「ひとり」の最期に寄り添うために

高齢化社会が抱える孤独死の課題
内閣府の調査では、団塊の世代が75歳以上となる令和7年(2025年)には、65歳以上の人口が約3,677万人に達すると見込まれています。その後も高齢化は進み、令和24年(2042年)には約3,935万人でピークを迎えるとされています。

横須賀市に目を向けると、市内の高齢化率は約30%と、全国平均(約26%)を上回る状況です。高齢者が増えることで孤独死や無縁仏の増加が社会問題となっており、「おひとり様」として最期を迎える人は決して独身の方だけではないのが現実です。家族がいても疎遠になってしまった人、家族に先立たれて一人になった人など、誰しも「ひとり」で最期を迎える可能性があります。

心に残る一通の遺書
2019年11月の朝日新聞に掲載された記事の中に、忘れられない一通の遺書の話がありました。

横須賀市内の築60年以上のアパートで一人で亡くなった70代の男性が残した遺書には、こう書かれていました。

「私し死亡の時 15万円しかありません 火葬と無縁仏にしてもらえませんか 私を引き取る人がいません」

遺書は厚紙の裏に鉛筆で書かれており、何度も書き直した跡が残っていたそうです。自分の最期を見届ける人がいないことを理解しつつも、「せめて仏にしてほしい」という願いが込められたものでした。

この男性の願いを知った横須賀市福祉部の北見専門官は、「しまったことをした」と心を痛めたといいます。市は公費で火葬を行いましたが、市の役割では「仏にする」という宗教的な供養を行うことができないため、男性の「最後の願い」をかなえることができませんでした。

「本人が望む形での供養を支援する事業が必要だ」と北見さんは考え、その後、遺骨は市内の寺が引き取り、合葬墓で供養されました。この経験が横須賀市の終活支援事業の原点となり、**「わたしの終活登録事業」**がスタートしました。

わたしの終活登録事業とは?
この事業は、年齢や資産の有無に関係なく、誰でも登録が可能な制度です。緊急連絡先、葬儀の形、納骨先、遺品整理の方法、遺言書の保管場所などを事前に登録する仕組みです。事前に希望を把握しておくことで、万が一の時にも希望に沿った形で対応ができるというものです。

横須賀市ではさらに、エンディングサポート事業も行っています。高齢者の方が生前のうちに、葬儀や納骨の方法、リビングウィルの内容などを登録しておき、局面ごとに関係機関や事業者が連携してサポートする仕組みです。

このような取り組みは、誰もが安心して最期を迎えられる社会づくりの一環であり、孤独死を防ぐための大きな支えとなっています。

葬送のサポートを通してできること
セレモニーサポート・オンリーワンも、地域に密着し、地域の皆様のサポートができる存在でありたいと考えています。

葬送の仕事は「お別れの儀式を行うだけ」ではありません故人の想いをくみ取り、ご家族の気持ちに寄り添いながら最期を見送る大切な役割があります。

孤独死を防ぐための地域の取り組みはもちろん、無縁仏を生まないためのサポートも必要だと考えています。横須賀市のように、「わたしの終活登録事業」や「エンディングサポート事業」を地域に発信するのも、私たちの大切な役割の一つです。

「困った時に手を差し伸べる」それが当たり前のサポートだと私たちは考えています。

もしもの時に困らないために
自分の最期をどう迎えるのかを考えることは、決して「縁起でもないこと」ではありません。人生の最後を迎える場所や形を考えることは、自分らしく生きるための選択でもあります。

横須賀市の「わたしの終活登録事業」や「エンディングサポート事業」は、一人で抱え込まずに地域のサポートを活用する良い機会です。

オンリーワンも、「もしもの時に頼れる場所」であることを目指し、地域の皆様が安心して大切な人を見送れるようサポートしてまいります

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