最近の家族葬事情

2025/10/25

ご葬儀の打ち合わせを始めると、ほとんどの方が「家族葬で行いたい」とおっしゃいます。
高齢化が進む中で、60代の息子が80代の親を送るケースが増え、会社関係は退職後に縁が切れ、ご近所の付き合いも希薄になりがちです。また、親の兄弟も亡くなっていることが多く、自然と「ご家族だけの少人数の葬儀になりますね」と言われるようになりました。これが家族葬の始まりといえます。

かつてこのスタイルは「密葬」と呼ばれていました。
密葬は家族だけでひっそりと行う葬儀で、その後に「お別れ会」や「偲ぶ会」を開き、故人の死亡を周知させる形が一般的でした。芸能人や会社役員の方々がこのスタイルを選ぶことが多く、密葬後に改めてお知らせをすることで、感謝の気持ちや故人の生前のつながりを大切にしていました。

しかし、現在の家族葬では、周知の行為自体が省略されることが少なくありません。
この点が、家族葬に対する地域や寺院からの理解を得にくい理由のひとつです。葬儀の本来の目的は、故人が亡くなったことを知らせ、これまでのご縁に感謝を伝え、残された家族のこれからの生活を支える場であるといえます。

「家族葬」の解釈も様々で、最初は少人数でと話が進んでいても、最終的には親戚、ご近所、ご友人、介護でお世話になった方々が参列する一般的な葬儀スタイルになるケースもあります。
「どこまでが家族葬なの?」といった質問を受けることも多くあります。

家族葬の最大のデメリットは、訃報を伝えないことで周囲からの理解を得られにくい点です。
家族だけで葬儀を済ませる場合でも、故人の生前のつながりを大切にしてください。葬儀後にお世話になった方々にきちんと訃報を伝えることが、何よりも重要なことだと私は思います。これが、残されたご家族にとっても、故人への最大の感謝を表す方法のひとつなのではないでしょうか。

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