記憶に残る葬儀
息子が吹き消した父への想い—「オンリーワン」のご葬儀で生まれた感動の物語
これまで数多くのご葬儀をお手伝いしてきましたが、一つとして同じ葬儀はありません。その中でも、今でも鮮明に心に残る葬儀があります。
野球をさせたかった父と、サッカーをやりたかった息子
父親は息子に野球をさせたかったけれど、息子は本当はサッカーがやりたかった。父親を喜ばせたくて一生懸命野球を頑張ったものの、思うような成果が出ず、ついに「やっぱりサッカーがやりたい」と父に打ち明けました。
その言葉を受け止めた父親は、自分はサッカーを知らないにもかかわらず、ルールを覚え、息子と一緒にリフティングやドリブルの練習を始めたのです。親子で歩んだ日々の努力はやがて花を咲かせ、ついには息子が日本代表選手に選ばれるまでになりました。
父と交わした最後の約束
ある日、息子は海外遠征の試合に向かうため家を出発しました。その時、**父と交わした最後の言葉は「今度こそ、あの強豪に勝ってこい!」**という力強いエールでした。
しかし、息子が家を出て数時間後、父は急性心筋梗塞で突然の死を迎えました。
息子の知らないまま、父の葬儀の準備が進む
海外遠征中の息子は、父の死を知らないまま試合に出場し、見事にその強豪相手に勝利を収めました。帰国後、母から「すぐに自宅に帰ってきてほしい」と電話が入りました。
駅まで迎えに来てくれた母から告げられたのは、**「お父さんが3日前に亡くなったの」**という突然の言葉でした。
家に戻り、葬儀場に到着した息子は呆然と立ち尽くしました。棺に向かい、ゆっくりと歩み寄った後、しばらく静かな時間が流れたかと思うと、突然号泣しました。
その時間がどれほど続いたか、私たち葬儀社のスタッフも息子の気持ちを共有し、ただ見守ることしかできませんでした。
父の誕生日を、最期のお別れの場で迎える
「何かできることはないか」。スタッフ同士で何度も話し合い、考え続けた結果、父の誕生日が間近であることが分かりました。
そこで、告別式で父の誕生日を祝うことを家族に提案しました。家族はこの提案を受け入れてくれたため、深夜までかかってケーキを探し、なんとか購入することができました。
翌日、告別式の最後のお別れの時間がやってきました。
会場には約80名の親族や会葬者が集まり、スタッフが用意したケーキが運ばれました。棺の蓋が開けられ、ケーキに火が灯されると、「ハッピーバースデー」の歌が静かに流れ出しました。
息子が父に吹きかけた「最後のひと息」
歌い終わった後、息子は父の顔をじっと見つめ、ケーキのロウソクの火を優しく吹き消しました。その瞬間、まるで**「命の灯火が静かに消える」**かのような静けさが会場を包みました。
参列者の誰もが涙を浮かべながら拍手を送りました。その場にいた全員の心が一つになった、そんな不思議な温かさを感じる瞬間でした。
遺骨を胸に抱え、自宅へと帰る家族の後ろ姿
火葬場で父の遺骨を手にした息子は、一度も離すことなく大切に抱きしめていました。その後ろ姿を見送る家族の表情からは、悲しみと共に感謝の気持ちが伝わってきました。
1週間後、息子が語った言葉
葬儀が終わってから1週間後、私たちはご家族の元を訪れました。出迎えてくれたのは、晴れやかな笑顔の息子でした。
「あの時は本当にありがとうございました!」
彼は感謝の気持ちを言葉にしてくれました。そして、続けてこう話してくれました。
「俺、がんばりますから。もっと有名になったらサインをもらいに来てくださいね。父に恥ずかしくない生き方をしていきますから」
私たち葬儀スタッフは、これまで数多くの「ありがとう」をいただいてきましたが、この時ほど胸が熱くなった「ありがとう」はありませんでした。
「オンリーワン」のご葬儀を目指して
ご家族の数だけ、それぞれの想いがあり、特別なお別れの形があります。
オンリーワンでは、ご家族の想いに寄り添いながら、一つひとつのご葬儀を大切にお手伝いしています。ご家族がどのようなお見送りをしたいのか、どのような形で想いを表現したいのか、その気持ちを大切に受け止め、可能な限り実現できるよう全力を尽くします。
事前相談も受付中
ご家族が**「もしもの時」に困らないよう、事前相談も承っております**。お葬式の形や費用について、お気軽にご相談ください。
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