お地蔵さん
延命地蔵尊とお地蔵さんの秘密にふれるひととき
横須賀市大滝町にある中央葬祭館から徒歩わずか3〜4分の場所に、「どぶ板通り」という異国情緒あふれる商店街があります。ここは日本とアメリカの文化が融合した独特の雰囲気が漂い、まるで異国に迷い込んだような気分を味わえます。
そのどぶ板通りを京急汐入駅方面へ進むと「延命地蔵尊」があります。ここには百体近くのお地蔵さんが祀られている社があり、隣にはライブハウス「かぼちゃ屋」が立ち並ぶ、少し不思議な立地に位置しています。私はこういうちょっとした異空間が大好きで、休日になると神社仏閣巡りをするのが趣味です。妻からは「おじいちゃんみたい」と言われますが、平成生まれの私にとって、手を合わせるその時間は心が落ち着く貴重なひとときです。
お地蔵さんの由来とその意味
日常の中でよく見かけるお地蔵さん。道端にひっそりと立つその姿を見たことがある方も多いでしょう。でも、なぜそこに立っているのか、どんな意味があるのか考えたことはありますか?
お地蔵さんの正式名称は「地蔵菩薩」といい、サンスクリット語の「クシティ(大地)」と「ガルバ(胎内)」を合わせた言葉から来ています。世の中の弱き者を救う存在として、信仰を集めてきました。
また、十三仏の一つでもあり、五七日(亡くなってから35日目)に閻魔大王に裁かれる際に救済してくれるのが地蔵菩薩です。お葬式でも耳にすることがあるかもしれません。
六地蔵と六道の世界
お葬式の場面で目にすることが多いのが「六地蔵」です。六地蔵は六道の世界を表しており、六道とは「天道」「人間道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」といった人々が生まれ変わるとされる6つの世界です。六地蔵は、これらの世界をさまよう人々を救うために建てられているといわれています。
赤い前掛けの意味
お地蔵さんといえば、赤い前掛けや赤い帽子を身につけた姿をよく見かけますよね。実はこれにも意味があり、「赤」は赤ちゃんの赤を意味するといわれています。お地蔵さんは子どもを守る存在とされているため、無事な成長や子どもの健康を願うために赤い前掛けが掛けられるのです。
道祖神とお地蔵さんの違い
道端でよく見かけるお地蔵さんは、**「道祖神」**と呼ばれることがあります。道祖神は、集落の境目に立っていることが多く、村の外からの災いを防ぐ役割があるとされています。道祖神は厄災を防ぐための守り神であり、集落を守る存在として信仰されてきました。
最後に
何気なく目にしているお地蔵さんですが、日々の暮らしの中で支えてくれている守りの存在でもあります。もしどぶ板通りを訪れる機会があれば、延命地蔵尊に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。普段は通り過ぎてしまいがちなお地蔵さんに、少しだけ手を合わせてみると心がほっとするかもしれません。
仕事の帰り道にふとお地蔵さんに手を合わせる。そんな心の安らぎを感じる時間が、現代人には大切なのかもしれません。