お経とは?写経を通して贈る母への想い

2025/01/15

お経って、亡くなった方のために唱えられていると思っていませんか? 実はお経は、周りで聴いている私たち生きている人々に向けた、お釈迦様からのアドバイスなのです。

お経の元になる教えを説いたのは、紀元前5世紀ごろのインドで生まれたお釈迦様(ブッダ)。裕福な家庭に生まれながらも、幼少期に母を亡くし、誰もが避けられない老いや病、死と向き合う中で苦悩されました。そして29歳で家を出て修行し、35歳の時、菩提樹の下で悟りを開いたと言われています。

その悟りを象徴する教えが**「三法印(さんぽういん)」**です。

  • 諸行無常(しょぎょうむじょう):この世の全てのものは常に変化し、壊れていく。
  • 諸法無我(しょほうむが):自分中心で物事を考えない。
  • 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):欲望や執着を手放すことで苦しみから解放される。

これらは、より良い生活を追い求めるのではなく、執着を手放すことで楽に生きられると説くものです。

お釈迦様が亡くなった後、その教えを弟子たちが文字にしたものがお経です。中でもよく知られているのが**「般若心経(はんにゃしんぎょう)」**で、その中心にあるのは「空(くう)」の考え方。何事にも執着せず、とらわれずに生きることで、心が軽くなるというアドバイスです。

先日、奈良・薬師寺の東京別院で写経に訪れる人々の様子を追ったドキュメンタリーを観ました。写経は、般若心経を一文字ずつ書き写すものですが、無心になり心が休まる、という声が多く、書くことで誰かを想ったり、自分自身と向き合ったりする機会にもなるようです。

その中で印象的だったのは、ある男性の言葉でした。

「認知症の母は、プレゼントを贈ってもそれを理解できません。だから母の日には、母の健康を願いながら写経を書いています。お母さん、心からあなたを愛し、想っています。」

切なさの中に、美しい心が感じられる言葉で、私の心も洗われる思いでした。

以前は「お経=亡くなった方に向けたもの」と思っていましたが、実は**「生きている私たちへのアドバイス」**だったんですね。

もし宗派や葬儀形式についてお悩みがあれば、弊社セレモニーサポート・オンリーワンにお気軽にご相談ください。宗派問わず、無宗教の方でもサポートさせていただきます。

ちなみに、お寺様がお経を仏様に向かって唱えるのは、仏様への念仏やお題目を奉げる意味があるためだそうです。そんな背景を知ると、お経を聴く姿勢も少し変わるかもしれませんね。

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